SHARE:

剪定ばさみの比較|手の大きさと用途で変わる選び方の基準

売り場に並んだ剪定バサミは、どれも似た形の2枚刃に見えます。

ただ、刃と刃をすり合わせて切るバイパス型と、片方の刃を金属の受け台に押し当てて切るアンビル型では、切ったあとの枝の状態が変わります。

生きている枝をアンビル型で切ると、切り口が押し潰れた形になります。

もう一つ確認したいのが、パッケージに書かれた切断径の表記です。

庭木のいちばん太い枝より小さい数値の製品を選ぶと、届いてから枝に歯が立ちません。

本記事では、刃の合わせ方で変わること・タイプ別に向いている人・切断径と手の大きさの合わせ方・買ってからの手入れと消耗の目安を解説します。

キレイガーデン

キレイガーデン編集部

「キレイガーデン」は、庭とベランダの手入れに使う道具と資材の選び方をまとめたメディアです。防草シートや人工芝といった地面まわりから、剪定ばさみ・散水ホース・物置まで、規格の読み方と選ぶ基準を整理してお伝えします。

※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。

剪定バサミ選びで最初に決まるのは、刃の合わせ方

刃の形を先に決めてしまえば、あとの検討はかなり楽になります。

バイパス型は2枚の刃がハサミのようにすれ違い、繊維を切り離しながら進みます。

アンビル型は刃が1枚で、反対側にある平らな受け台(アンビル)に刃を押し当てて枝を断ちます。

同じ「剪定バサミ」の棚に並んでいても、この2つは切り口の作り方が別物です。

生きている枝を切るなら、切り口が平らに残るバイパス型が基本になります。

アンビル型は刃が枝を受け台へ押し込む動きになるため、水分の多い枝では断面がつぶれた形になりやすいです。

反対に、乾いて硬くなった枯れ枝は、押し切る動きのほうが少ない力で進みます。

自分の庭でどちらの作業が多いかを思い出してください。

花木や果樹の枝を切り戻して形を整える作業が中心なら、迷わずバイパス型です。

枯れ込んだ枝の片付けが大半で、握力をなるべく使いたくない場合はアンビル型が候補に入ります。

刃の形と切れる枝の太さの関係は剪定ばさみの選び方でも解説しています。

タイプごとの構造と、切れる枝の違い

バイパス型(すり合わせ刃)

上刃が湾曲し、下刃が枝を受け止めて逃がさない形になっています。

枝を刃の奥まで入れてから握ると、刃先で滑らせるより軽い力で切れます。

市販品の数がいちばん多いタイプで、替刃やスプリングの補修部品が用意されている製品も見つけやすいです。

アンビル型(受け刃式)

刃が1枚だけなので、両刃をすり合わせる調整が要らず、構造が単純です。

乾いた枝を押し切る場面では力が節約できます。

ただし刃が枝の中心へ食い込む形になるので、生きた枝の仕上げ切りには向きません。

ラチェット式

握りを一度で握り切らず、数回に分けて刃を送り込む仕組みです。

1回あたりの握力が小さくて済むため、太めの枝でも手が続きます。

そのぶん1本を切るのに動作が増えるので、細い枝を大量に間引く作業には向きません。

木バサミ(芽切り鋏)と、太枝用の道具の境目

握りが輪になった木バサミは、薄い2枚刃で細い枝や花がら、伸びた芽を切るための道具です。

刃が薄いので、太い枝に入れると刃を傷めます。

逆に片手のバサミで届かない太さは、両手で使う太枝切りバサミか剪定ノコの領域になります。

1本ですべてをまかなおうとすると、どちらの作業も中途半端になります。

タイプ別に向いている人を表で見比べる

同じ庭でも、切る対象と自分の握力でどれが合うかは変わります。

まず自分の作業に近い行を探してください。

タイプ刃の構造切りやすい枝向いている人
バイパス型2枚の刃がすれ違って切る生きた枝の切り戻し、細枝の間引き庭木・バラ・果樹の手入れを季節ごとに自分でする人
アンビル型1枚の刃を受け台に押し当てる乾いた枝、枯れ込んだ枝枯れ枝の片付けが多く、握る力をなるべく使いたくない人
ラチェット式握りを数回に分けて刃を送る片手のバサミで限界に近い太さの枝握力に自信がなく、太めの枝を自分で切りたい人
木バサミ(芽切り鋏)薄い2枚刃をすり合わせる細枝、花がら、芽鉢植えや盆栽の細かい手入れが中心の人
電動タイプモーターで刃を動かす公表されている切断径までの枝切る本数が多く、握る回数そのものを減らしたい人

電動タイプは、切断径とバッテリーの持ち時間で機種ごとの差が大きく出ます。

刃を握力で閉じない代わりに本体が重くなるため、高い位置での作業が多い人は重量も見てください。

機種ごとの見比べ方は電動剪定ばさみの選び方で解説しています。

切断径と全長|剪定バサミのサイズは枝と手から逆算する

買い直しがいちばん起きやすいのが、この2つの数値です。

切断径は、その製品で切れる枝の太さの上限としてメーカーが公表している数値で、生木を基準にしています。

庭に出て、切りたい枝のうちいちばん太いものを指で挟んで太さの見当をつけ、その値より余裕のある製品を選んでください。

上限ぎりぎりの枝を毎回切ると、刃にもスプリングにも負担がかかります。

全長は手の大きさと作業姿勢で選ぶ

全長が長い製品はてこが長くなるので、同じ握力でも太い枝に向きます。

ただしハンドルが開きすぎると、手の小さい人は最初の一握りで刃が閉じきりません。

売り場で握れるなら、刃が開いた状態でハンドルの外側に指が届くかを確かめるのが確実です。

通販で買うなら、全長の表記と、ハンドルの開き幅が調整できる機構があるかを見てください。

長時間握る予定なら、握り込みに合わせてハンドルが回る回転グリップも選択肢になります。

手のひらの皮膚がハンドルの上を滑らずに済むぶん、こすれによる痛みが出にくい作りです。

庭木の本数が多い場合は、この差が作業を止めるかどうかを分けます。

失敗しやすい剪定バサミの選び方

いちばん多いのが、太い枝まで1本でまかなおうとして大型のバサミを選ぶ形です。

太枝に対応した製品は刃も本体も厚くなり、細い枝を間引くときに枝の隙間へ刃先が入りません。

結果として、量の多い細枝の作業で手間が増えます。

細枝用と太枝用は分けたほうが、どちらの作業も速く終わります。

ステンレス刃なら手入れが不要と考えるのも危ないです。

ステンレスはサビにくい素材ですが、樹液は付着します。

固まった樹液は刃の動きを重くするので、素材にかかわらず使い終わりの拭き取りは必要です。

落とし方と保管の手順は剪定ばさみの手入れの手順で解説しています。

向かない人・見送ったほうがいい場合

握力が弱い人や手首に痛みがある人が、太枝対応の片手バサミを選ぶのは避けてください。

切れないまま力を込め続けると、手首をひねる動きが増えます。

この条件ではラチェット式か電動タイプのほうが現実的です。

また、刃を閉じた状態で固定する安全ロックの位置も確認してください。

腰袋に差して歩く使い方では、意図せずロックが外れない構造かどうかが安全に直結します。

持ち運び方については剪定ばさみのケースの選び方で解説しています。

作業中は革手袋を着け、刃先を人のいる方向へ向けないでください。

刃の素材と替刃対応|剪定バサミの消耗をどう見るか

刃物鋼(はものこう)を使った製品は、研ぎ直しで切れ味を戻しやすい代わりに、濡れたまま置くとサビが出ます。

ステンレス刃はサビに強く、雨の日の作業後でも扱いが楽です。

フッ素などのコートが施された刃は、メーカーが樹液の付着を抑える目的で採用しているとしていますが、コートは使うほど摩耗するので、研ぎ直しでコートが失われる点は理解しておいてください。

買う前に見ておきたいのが、刃を交換できるかどうかです。

ネジを外して刃だけを替えられる製品なら、切れなくなっても本体は使い続けられます。

替刃が用意されていない製品は、切れ味が落ちた時点で本体ごと買い替えになります。

庭木の本数が多く、年に何度も剪定する人は、替刃の有無で長い目で見た出費が変わります。

刃の消耗のしかたは、切った枝の太さと本数、それに手入れの頻度で変わるため、何年もつという形では言えません。

切り口がつぶれる、切ったあとに枝の皮が残るといった変化が出たら、研ぎ直しの時期です。

剪定ばさみの研ぎ方では、片刃だけを研ぐ手順と必要な砥石を解説しています。

なお、取扱店や時期によって替刃の取り扱いは変わるので、購入前にメーカーの部品一覧を確認してください。

よくある質問

100均で買える範囲のバサミでも足りますか

細い草花の茎や花がらを切る程度なら使えます。

ただし、生きた庭木の枝を切る作業では刃の厚みと剛性が足りず、枝を挟んだまま刃がたわむことがあります。

替刃や補修部品も期待できないので、庭木を年に数回剪定する予定があるなら、園芸専門店で扱う価格帯の製品を検討してください。

1本だけ買うとしたら、どのタイプですか

生きた枝を切る機会があるなら、バイパス型で、庭木のいちばん太い枝より余裕のある切断径のものを選んでください。

枯れ枝の片付けは、切り口の状態を気にしなくてよいのでバイパス型でも進みます。

逆にアンビル型を1本目にすると、生きた枝の仕上げ切りで困ります。

切れなくなったら買い替えたほうがいいですか

刃こぼれや欠けがなく、刃と刃の合わせがずれていないなら、研ぎ直しで切れ味は戻せます。

買い替えを考えるのは、刃が欠けている場合、支点のガタが大きくて刃がすれ違わない場合、替刃が入手できない場合です。

剪定する時期は道具選びに関係しますか

関係します。

花芽を残して切る樹種は、切る本数が少なく細い枝が中心になるため、刃先の入りやすい小型のバサミが向きます。

花の時期と切る位置は樹種ごとに違うので、キンモクセイの剪定時期のように樹種別の解説を確認してから道具を決めてください。

まとめ

剪定バサミは、まず刃の合わせ方でバイパス型かアンビル型かを決め、次に庭木のいちばん太い枝と自分の手の大きさから切断径と全長を絞るのが、迷いの少ない順番です。

握力に不安があるならラチェット式や電動タイプ、細かい手入れが中心なら木バサミという形で、作業の中身に合わせて選び分けてください。

買ったあとに切れ味を保てるかどうかは、替刃の有無と使用後の拭き取りで変わります。

ぜひ本記事のタイプ別の比較表と、切断径・全長の合わせ方を参考に、自分の庭木に合う1本を選んでください。

あなたへのおすすめ