SHARE:

芝生のエアレーションの手順|使う道具と時期の目安と頻度

踏み固められた芝生の地面は、スコップの先が5cmも入りません。

エアレーションは、この固まった地面に穴をあけて空気と水の通り道を作る作業で、ローンパンチで直径15〜20mmの土の塊を抜き取る方法と、ローンスパイクで穴だけをあける方法があります。

効果の差が大きいのは前者で、抜いた穴に目土を入れて埋め戻すところまでが1セットになります。

時期を外すと、穴をあけた分だけ芝が弱って回復しないままシーズンが終わります。

本記事では、穴あけから目土入れまでの手順・やり方を間違えたときに起きること・道具の選び方と代用・芝の種類別の時期の目安を解説します。

キレイガーデン

キレイガーデン編集部

「キレイガーデン」は、庭とベランダの手入れに使う道具と資材の選び方をまとめたメディアです。防草シートや人工芝といった地面まわりから、剪定ばさみ・散水ホース・物置まで、規格の読み方と選ぶ基準を整理してお伝えします。

※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。

芝生のエアレーションは「穴をあける・土を入れる」の2工程で完結する

作業自体は単純です。

芝の上を歩きながら等間隔に穴をあけ、抜いた土の塊を片付けて、上から目土(芝の上に薄くまく砂や土)を入れて掃き込む、この流れで終わります。

ただし1工程でも省くと、あけた穴が数日で塞がるか、逆に穴が開きっぱなしで根が乾きます。

作業前の下準備

先に芝を刈っておくと、穴の位置が見えて抜けが少なくなります。

伸びた葉が寝ている状態では、どこにパンチを入れたか分からなくなり、同じ場所を二度突くことが起きます。

また、地面が乾ききっていると刃が入りません。

前日に雨が降った翌日か、散水して半日置いた状態が扱いやすい湿り具合です。

逆に水浸しのぬかるみでは抜いた土が刃の中で固まって詰まります。

穴をあける間隔と深さ

目安は10〜15cm間隔で、深さは7〜10cmです。

間隔を詰めれば効果は上がりますが、そのぶん抜けた土の量が増え、後の片付けと目土の量も倍になります。

全面を一度に仕上げるより、通路として人がよく歩く場所や、水たまりができる低い場所から先に処理するほうが手戻りがありません。

ローンパンチは足で踏み込んで押し込み、次の穴に刺したときに前の土が押し出される構造になっています。

抜いた土の塊は表面に残るので、レーキで一箇所に集めて処分するか、乾かして砕いてから目土に混ぜます。

目土を入れて埋め戻す

穴をあけたまま放置しないでください。

目土をまいてデッキブラシや竹ぼうきで掃き込み、穴の中に落とし込みます。

目土が入ることで穴が崩れず、通気の通り道が残ります。

まき終わったらたっぷり散水して、土を穴の底まで沈ませます。

表面に目土が厚く残って芝の葉が完全に埋まると、そこだけ枯れます。

葉の先が見えている程度が上限です。

時期を外したエアレーションが芝を弱らせる理由

穴をあける作業は、根を物理的に切る作業でもあります。

ローンパンチの直径分だけ根が断たれるので、芝が伸びる力を持っている時期でなければ、切られたまま回復しません。

真夏の高温期や、生育が止まる冬に穴をあけると、傷が塞がらないうちに乾燥や寒さで傷みが広がります。

もうひとつ起きやすいのが、目土を入れずに終わらせたときの乾燥です。

深さ10cmの穴が開いたままだと、そこから水分が抜けて穴の周囲の根が乾きます。

雑草の種が穴に落ちて発芽しやすくなるという別の問題も出ます。

芝生の雑草そのものへの対処は芝生の雑草の対策で解説していますが、エアレーションの穴を放置すると対策の手間が増える方向に働きます。

逆に、あける間隔を極端に詰めすぎるのも避けてください。

5cm間隔で全面を突くと、切れた根の割合が大きくなり、地表が崩れてスポンジのような状態になります。

回復力に不安があるなら、間隔を広く取って年に2回に分けるほうが安全です。

よくある失敗と、その場での直し方

穴が浅くて表面だけで止まる

体重をかけても3〜4cmしか入らない場合、地面が乾いて固まっています。

無理に踏み込むと柄が曲がるので、いったん散水して半日空けてから再開してください。

それでも入らない硬さなら、先にローンスパイクで穴をあけて割れ目を作り、次にパンチを入れる二段階に分けます。

刃に土が詰まって抜けなくなる

湿りすぎた粘土質の土でよく起きます。

穴に刺しても前の土が押し出されないので、5〜6穴ごとに棒で突いて中の土を落としてください。

作業前に刃の内側へ水をかけておくと、土離れが多少よくなります。

目土をまいたあと芝が黄色くなった

目土が厚すぎて葉が埋まっています。

ぼうきで掃いて余分な目土を移動させ、葉の先を出してください。

すでに数日経って葉が黄変している部分は、埋まっていた期間が短ければ新芽が出てきますが、完全に土をかぶった状態が長引くと戻りません。

まく量は「穴が埋まる分だけ」と考えて、足りなければ二度に分けるほうが失敗しません。

穴の位置がばらばらで抜けが多い

広い面をやろうとすると必ず起きます。

ホースや紐を目印に置いて、その線に沿って一列ずつ進めると抜けが減ります。

作業を中断するときは、どこまで終わったか分かる位置に道具を置いてください。

必要な道具と、代用が利くもの

必須なのは穴をあける道具と、目土を掃き込むものです。

あとは面積次第です。

道具役割代用の可否
ローンパンチ(中空の刃で土を抜く)土の塊ごと抜いて空間を作る代用しにくい。効果の中心になる道具
ローンスパイク(棒状の刃で穴だけあける)穴をあけて割れ目を作るフォークで代用できるが穴が浅くなりやすい
目土・目砂穴を埋めて通気路を保つ庭土は水を通しにくいので不向き
デッキブラシ・竹ぼうき目土を穴へ落とし込む板の端で寄せる方法でも可
レーキ抜けた土の塊を集める手で拾えるが面積次第
散水用のホース作業前の湿らせと、作業後の沈め込みジョウロでも可。ただし量が要る

ローンパンチは踏み込む力がそのまま刃に伝わる構造なので、足で踏む横棒が付いたタイプのほうが深く入ります。

手で押し込むだけの短い柄のものは、鉢まわりのような狭い場所向けです。

前工程の芝刈りに使う機械は、刈り高の設定幅で仕上がりが変わります。

刈り高を低く保てるかどうかは機種で差があるので、芝刈り機の選び方でリール式とロータリー式の違いを解説しています。

エアレーションの頻度は年1〜2回、時期は芝の種類で分かれる

回数は年1回から2回が目安です。

人がほとんど歩かない観賞用の芝なら年1回、子どもが遊ぶ場所や犬が走る場所は踏圧が集中するので年2回に分けるという判断になります。

毎月のように穴をあける必要はありません。

時期を決めるのは、芝が伸びている最中かどうかです。

高麗芝や野芝のような夏型(暖地型)の芝は、気温が上がって伸び始める春から初夏、そして真夏を過ぎた初秋が作業しやすい時期にあたります。

生育が止まる冬に穴をあけると、切れた根が春まで塞がらないままになります。

一方、西洋芝のうちケンタッキーブルーグラスやトールフェスクのような寒地型は伸びる時期が春と秋に分かれるので、盛夏を避けて春か秋に行います。

品種ごとの生育の性質は芝生の種の選び方で解説しているので、自宅の芝がどちらなのか分からないときの手がかりになります。

張ったばかりの芝には行いません。

根がまだ地面に張っていない状態で穴をあけると、切れた根の割合が大きくなりすぎます。

目地から根が広がって全面が繋がるまでは待ってください。

植え付けからの経過の目安は芝生の張り方の手順で解説しています。

下地と芝の種類で手順が分かれる点

土の上の天然芝

ここまでに書いた手順がそのまま当てはまります。

深さ7〜10cmまで刃が入る前提なので、途中に石やガラが混ざっていると刃が欠けます。

以前に砂利を敷いた跡地に張った芝では、浅い位置で刃が止まることがあります。

無理に踏み抜かず、その区画はスパイクで浅く処理してください。

粘土質の地面

水はけが悪く、雨のあと数日水たまりが残るような地面では、穴をあけても穴の中に水が溜まります。

目土に川砂を多めに混ぜて埋め戻すと、穴の部分だけでも水が抜ける道になります。

表面がぬかるむ状態が続く場所は、キノコが出ることもあります。

芝生のキノコは踏圧と水分の停滞が絡むので、芝生にキノコが生える原因と対処で再発を防ぐ手入れの手順を解説しています。

人工芝には行わない

人工芝にエアレーションの作業は要りません。

根が無いので通気を確保する意味がなく、パイルの基布に穴をあければ裂けの起点になります。

人工芝で水はけが悪いときは、下地の砂利や透水穴の詰まりを疑ってください。

基布の透水穴の有無やパイルの構造は製品で違うので、これから敷く場合は人工芝の選び方で芝丈と密度の違いを解説しています。

同じ「芝」でも、人工芝には目土も肥料も使いません。

よくある質問

エアレーションのあと、すぐ歩いても大丈夫ですか

目土を掃き込んで散水するまでは、なるべく歩かないでください。

穴の縁が崩れて塞がります。

散水して土が沈んだあとは通常どおり使えますが、根が切れた直後なので数日は運動用途を控えたほうが回復が早くなります。

抜いた土の塊は戻してもいいですか

そのまま穴に押し込むのは避けてください。

抜いた土は固まっている元の土なので、戻すと元の状態に近づきます。

乾かして砕き、川砂を混ぜてから目土として使うなら問題ありません。

手間を考えると、片付けて新しい目土を入れるほうが早く済みます。

肥料はいつ与えればいいですか

目土を入れて散水したあと、芝が回復に向かってからで構いません。

穴をあけた直後に濃い肥料を与えると、切れた根の断面に触れる形になります。

なお、活力剤は微量要素などを補うもので、窒素・リン酸・カリを与える肥料の代わりにはなりません。

使う前に袋の表示を確認してください。

フォークやドライバーで代用できますか

穴をあけるだけなら物理的には可能です。

ただし深さ7〜10cmまで届かず、土を抜き取れないので、ローンパンチと同じ結果にはなりません。

数平方メートルの狭い範囲を試すなら手持ちの道具でも足りますが、面積が広いと本数が足りず途中で終わります。

年に3回以上やってはいけませんか

回数を増やすほど根を切る回数も増えます。

踏圧が極端に強い場所で回数を増やす判断はありますが、その場合は間隔を広めに取って1回あたりの穴の数を減らしてください。

全面を密に何度も突くと、地表が崩れて逆に傷みます。

まとめ

エアレーションで結果を分けるのは、穴をあけたあとに目土を入れて散水するところまでやり切るかどうかです。

10〜15cm間隔で深さ7〜10cm、抜いた土は片付けて新しい目土で埋め戻し、たっぷり水をやって沈める、この一連が1回の作業になります。

時期は芝が伸びている最中に合わせ、夏型なら春から初夏と初秋、寒地型なら盛夏を避けた春か秋を選んでください。

張ったばかりの芝と人工芝には行わない、という2つの除外条件も押さえておくと迷いません。

ぜひ本記事の手順と道具の一覧、そして下地別の分岐を参考に、自宅の芝の状態に合わせて進めてください。

あなたへのおすすめ