苦土石灰の使い方|まく量の目安と植えるまでの日数

苦土石灰(くどせっかい)は、耕して混ぜたあと1〜2週間おいてから植え付けるのが基本です。土の表面にまいただけでは根が伸びる深さまで届かず、まいた直後に苗を植えると根が傷むことがあります。
さらに、鶏ふんや硫安のような窒素肥料と同時に混ぜ込むと、アルカリと反応してアンモニアが発生し、せっかくの窒素が空気中へ抜けてしまいます。石灰と元肥の時期をずらすのは、このためです。
本記事では、苦土石灰を混ぜ込む手順・元肥と時期をずらす理由・花壇とプランターで変わる扱い方を解説します。

キレイガーデン編集部
「キレイガーデン」は、庭とベランダの手入れに使う道具と資材の選び方をまとめたメディアです。防草シートや人工芝といった地面まわりから、剪定ばさみ・散水ホース・物置まで、規格の読み方と選ぶ基準を整理してお伝えします。
※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。
苦土石灰は耕してから混ぜ、1〜2週間おいて植える
苦土石灰は、苦灰石(くかいせき)という鉱石を粉砕した石灰質肥料で、カルシウムとマグネシウムを含みます。
このマグネシウムが「苦土」にあたり、カルシウムだけを含む消石灰との違いになっています。
日本は雨が多く、土の中のカルシウムが雨水とともに流れ出て酸性に傾きやすいため、多くの野菜や草花が好むとされる弱酸性から外れたときに、酸度を戻す目的で使います。
まく前から植え付けまでの流れ
- 土壌酸度計か試験紙で、今の酸度を測ります。測らずにまくと、すでに中性に近い土をアルカリ側へ押し上げてしまうおそれがあります。
- 雑草と根、大きな石を先に取り除きます。残したまま耕すと土と苦土石灰が均一に混ざりません。
- 決めた量を全面に薄くまきます。一か所に山盛りにすると、そこだけ極端にアルカリ性になります。
- 深さ15〜20cmまで耕して混ぜ込みます。根が張る層まで届かせるのが目的で、表面にまくだけでは届きません。
- 1〜2週間おいてから植え付けます。土になじむまでに時間がかかるためです。
まく量は、1平方メートルあたり100g程度が一般的な目安として挙げられます。ただし今の酸度と製品ごとのアルカリ分で必要量は変わるので、袋に書かれた使用量の表示を優先してください。
元肥と同時に入れると窒素がアンモニアに変わって抜ける
手順を守らなかったときにいちばん分かりにくい形で損をするのが、肥料と同時にまいた場合です。
アルカリ性の苦土石灰と、アンモニア態窒素を含む肥料(硫安や鶏ふんなど)が土の中で接すると、窒素がアンモニアガスになって揮発してしまいます。
肥料袋に書かれた量を入れたのに葉色が薄いままというときは、この組み合わせが原因のこともあります。
そのため苦土石灰を混ぜて1週間ほどおき、それから元肥を入れる順番にしてください。
肥料そのものの選び方は肥料の選び方で解説しています。
もうひとつの実害が、まいた直後に苗を植えたときに起きる根の傷みです。
溶けきっていない粒が根に直接触れると、細い根が痛みます。
植え付けを急ぐ予定があるなら、苦土石灰を入れる日から逆算して作業日を決めておくほうが安全でしょう。
よくある失敗は表面まきと入れすぎの2つ
まいただけで耕していない
白い粉が土の上に残ったまま乾いている状態では、ほとんど反応が進みません。
雨で流れて隣の通路やコンクリート面に白く筋が残ることもあります。
直し方は単純で、もう一度クワかスコップを入れて、深さ15cm前後まで切り返すだけです。
酸度を測らずに毎年まいている
石灰は土に残って蓄積します。
連用してpHが上がりすぎると、鉄やマンガンといった微量要素を根が吸いにくくなり、葉が黄色くなることがあります。
上がりすぎた土を下げたいときは、酸性のピートモスを混ぜる方法があり、割合と混ぜ方はピートモスの使い方で解説しています。
酸性を好む植物にまいてしまった
ブルーベリー・ツツジ・サツキのように酸性の土を好む植物に苦土石灰を入れると、かえって育ちが悪くなります。鉢植えなら酸性の用土に植え替えるのが早く、地植えなら株の周囲へ石灰が入らないよう、土づくりの範囲を分けてください。
苦土石灰をまくのに要る道具と、家にあるもので代わるもの
欠かせないのは、ゴム手袋・マスク・保護メガネの3点です。
苦土石灰はアルカリ性で、粉が目や皮膚に付くと刺激があります。
風の強い日の散布は避け、目に入った場合は流水で洗ったうえで、気になるときは医療機関に相談してください。
土を切り返す道具は、畑ならクワ、花壇なら移植ごてや小型のスコップで足ります。
酸度の測定は専用の土壌酸度計でなくても、園芸店で売っている試験紙で大まかな傾向はつかめます。
計量についても、袋の表示量を一度だけ量って空のプラカップに印を付けておけば、2回目からはそれで代用できます。
なお、粉状と粒状では散布のしやすさが違います。
粒状は風で飛びにくく住宅地の花壇でも扱いやすい一方、粉状より溶けるのに時間がかかります。
狭い場所では粒状、広い畑で早くなじませたいなら粉状という選び分けになります。
花壇・畑・プランターで苦土石灰の扱いは変わる
地植えの畑や花壇は、雨で石灰分が流れ出る前提の場所です。
作付けの前に酸度を測り、必要なら混ぜ込むという流れを続けます。
土が固く締まっているなら、苦土石灰を入れるタイミングで腐葉土や堆肥も一緒に入れておくと、耕す手間が1回で済みます。
一方、プランターや鉢で市販の培養土を使う場合、苦土石灰を足す必要は基本的にありません。
市販品の多くはあらかじめ酸度を調整したうえで元肥まで入っているからです。
袋の配合表の見方は培養土の選び方で解説しています。
苦土石灰の出番があるのは、前の年に使った土を再生して使うときです。
古い土は雨や水やりで酸性に傾いていることがあるため、ふるいにかけて根を取り除いてから酸度を測り、必要な分だけ混ぜます。
基本用土の配合をやり直すなら、赤玉土の使い方で混ぜる割合を解説しています。
まく間隔の目安は年1〜2回まで
苦土石灰を入れる回数は、同じ場所で年に1〜2回までにとどめるのが無難です。土に残って積み上がる性質があるので、毎作ごとに足していくとアルカリ性に寄りすぎます。
時期としては、春や秋の植え付けの2週間前、あるいは冬に土を掘り起こして休ませるときが選びやすいでしょう。
ただし、何回まくかを決めるより、測った酸度が目標から外れているときだけ入れると考えるほうが失敗しません。
酸度が適正の範囲に収まっているなら、その回は入れずに済ませてかまいません。
よくある質問
苦土石灰と消石灰はどちらを使えばいいですか
家庭の庭や畑であれば苦土石灰が扱いやすいです。
消石灰は強いアルカリ性で、粉の飛散にもより注意が要ります。
苦土石灰はマグネシウムも補える点が違いになります。
まいた後すぐに種をまいても大丈夫ですか
おすすめしません。溶けきっていない粒が発芽したばかりの根に触れると傷みます。1〜2週間おいてからにしてください。
雨の日にまいてもいいですか
降っている最中は避けてください。
粉が流れて狙った場所に残らず、通路に白い跡が付くこともあります。
風の弱い曇りの日が作業しやすいでしょう。
入れすぎたときはどうすればいいですか
一度上がったpHをその場ですぐ下げる方法はありません。
植え付けを先送りして、酸性のピートモスや硫酸アンモニウムなどを使いながら時間をかけて戻すことになります。
入れる前に測るほうが、結局は早く済みます。
保管はどうすればいいですか
湿気を吸って固まるので、袋の口を閉じて雨の当たらない場所に置いてください。固まった分も砕けば使えますが、計量がしにくくなります。
まとめ
苦土石灰は、酸度を測ってから必要な量だけを全面にまき、深さ15〜20cmまで耕して混ぜ、1〜2週間おいてから植え付けるという流れを守れば、大きな失敗は避けられます。元肥と同時に入れないこと、毎作ごとに足さないこと、酸性を好む植物には使わないことの3点を守れば、土づくりでの遠回りを防げます。
ぜひ本記事の手順と、花壇・プランターでの扱いの違いを参考に、次の植え付けの2週間前から土の準備を始めてみてください。





